2007年03月18日

不倫とのせめぎあい 第4章−8

新たな段階に入った僕と前田ですが、心の奥のほうに、少しだけ引っかかるものがありました。

二人の関係を、不倫と呼ばれるものにしたくないと言う強い希望です。

他人から見れば、既にこの時点で紛れも無い不倫と言うことになるのは仕方ありません。典型的W不倫と言う形になります。

でも、本当に僕達のこの恋愛は不倫なんだろうか?
不倫と言う形をとらないと、前田を自分のものに出来ないのだろうか?

海辺のカフェで、まだ僅か2回目のデートの時に、前田は僕達の関係のことで僕に尋ねました。

「吉田君は私達のこと、どう思ってる?」と言う問いかけです。

僕はこう解釈しました。

・中学時代の同級生とは言え、互いに家庭を持つ夫と妻の立場の二人が、恋人同士のようにデートをしている。
・反社会的行為に対しては批判的な考えを持っていると認め合ってる二人。
・そんな二人が、互いの配偶者の目を忍んで、二人きりで逢うという事に、どうやって正当性を見出すのか?

前田は、僕にそんな問いを投げかけたんだと思いました。(実際は僕の思い違いで、前田はもっと別のことを考えていたそうです)

それに対する答えは、その時点の僕には準備できていません。
僕は、「店を出てから、車の中で答える」としか返事が出来ませんでした。
だけど、確信めいたものはありました。
僕らの恋は不倫じゃない、不倫である筈が無いと。

根拠はありません。唯一、「僕の心には微塵も罪悪感が無い」と言う事実からして、おそらく僕らの初恋が不倫になる筈が無いとの確信、そしてそれを何らかの言葉として、前田に示せるんじゃないかとの希望的観測。

僕は前田の問いに答える代わりに、「君を抱きたい」と伝えました。
言葉での答えは見つけていませんでしたが、僕が前田を抱きたいと言った以上、前田にとっては、僕が必ず、二人の関係を正当化する方法を示して見せると言う意思表示だと理解できた筈です。

僕はそのように考えました。

まだ時間はある。
きっと答えは見つかる。
だけど、前田は既に僕のものだ、いや、元々僕のものだ。

前田との交際を深めながら、心の中で、二人の関係を正当化する方法を考え続けました。
世間的なものではありません、二人の価値観の中での正当性と言うことです。



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posted by リッツ at 02:39 | Comment(0) | TrackBack(1) | 初恋 尽きぬ想い
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