2007年05月07日

脇目を振らずに突き進め

2回目のデートの1週間後、二人は結ばれました。

僕の気持ちは?
想像して下さい。

この時点では、彼女にそんな強い意志があるとは思っていませんでした。日常の会話から、彼女が子供を捨てることが出来るなんて思えませんでしたし、子供を捨てずに僕と一緒の人生を送る方法は無いと思っていました。

だから、長い時間をかけて、彼女が子供を捨てる気持ちになるように、徐々に洗脳して行こうと思ってました。

僕ですか?

簡単に行くとは思えませんが、自分は必ず家庭を捨てることになるということを確信してました。

そんなことも辛かったのですが、毎日逢えないことが辛かったです。
彼女の気持ちを確認してからは、24時間一緒に居たいと思うようになってましたが、実際には月に2度逢うのが精一杯。

の筈なんですが、こちらも、最初の1ヶ月は月2回。次の月は月4回。その次の月は月10回、そしてその次の月は、月30回。その後は、月に60回くらいは逢うようになって行きました。

何でそんなに逢えたんでしょうか?

完全に開き直っていました。
家内にばれたらばれた時。主人にばれたらばれた時。
他人が聞いたらあきれるほど、単純に、自分たちの欲求に忠実に逢瀬を重ねました。何時逢うかですか?
いつでもです。
朝だろうが、昼だろうが、夜でも、夜中でも、明け方でも。
少しでも逢える可能性のある時間は、全て逢うようにしました。

発覚のリスクを考えたら、僕らに与えられる時間は、一ヶ月に10時間も超えません。
結局僕らは二人で生きて行くわけですから、ばれた時は開き直って、相手を説得しようと。
だから、大通りは我慢しましたが、裏道では必ず手を繋いで歩きました。

その後、韓国ドラマにはまって、
「冬ソナ」はあまりピンと来ませんでしたが、「天国の階段」と「悲しき恋歌」を二人で見ていました。

いつも思うのですが、相手のことを思って、自分は身を引く。
そんな状況を美しいものに描いてありますが、僕はイライラします。彼女もイライラします。
だけども、二人で喜んで必死に見てます。

韓国ドラマは、基本的にはヒーローもヒロインも、貞操観念が強くて、腹いせに他の人と寝たりしませんので、そこら辺が良いかなと。

だけど、どんな状況でも、愛し合ってる二人が離れるような選択をしては行けません。

だから二人していつも話し合うのが、
「どうして自分の心と相手の心とを大事にしないんだろう」
「どうして障害を避けようとするのだろう」と。

僕らは周囲の人たちから「ダブル不倫ですね」と言われるので。
「不倫ではありません」と強く否定します。
二人とも不倫なんて決して出来ません。
家庭を守る前提で行うのが不倫で、二人の場合は、全てを捨てて愛する人を選んだと言うことです。

そこまで辿りつくために、二人も周囲の人も何度も血の泪を流しました。
それに対する贖罪の意識はもちろんありますが、命をかけて恋を貫いた結果ですから、仕方が無いことです。

だけど、この時点ではまだ、自分達の関係を正当付けるヒントすら掴めていませんでした。ただ、心から愛し合っている男女が、その愛を推し進めて悪い筈が無い。そういう一念だけが心の支えでした。

僕は二人の関係が旦那にばれた場合、決して謝罪の言葉は出さないつもりでした。

「お前を殺してでも幸子は貰う」。そんな言葉で旦那と話をするつもりでした。
結果的には二人の関係が発覚することなく、彼女は離婚が成立しました。
正直、ほっとしました。

僕は臆病で、真面目な優等生でしたが、彼女を手に入れるためなら、どんなことでもするつもりでした。
法律違反でもです。そんな覚悟がなかったら、今のこの状態は無かったと思ってます。


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タグ:恋愛 初恋 不倫

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2007年04月20日

彼女の瞳 第4章9

僕らはホテルに入り、約束通り、着衣のまま抱きしめあいました。

どんな感じがしたかって?

このまま死んでも良いかなって思いました。
だって、30数年憧れ続けて来た彼女が、僕の腕の中に居るんですよ。着衣を隔てていても、彼女の細い肩や胸のふくらみ、細い足、すべすべとした腕、全部完全に感じてました。

そしてキスをするとき、彼女は初めて、僕の前で眼鏡を取って素顔を見せてくれました。

中学時代とちっとも変わらない、深い憂いを秘めた瞳が目の前にありました。

「前田!、お前は変わってないじゃないか。ちっとも変わって無いじゃないか。」


恥ずかしい話ですが、僕は彼女の顔、とくに瞳が好きでした。
彼女の心は知りません。どう変わったのかも知りません。
だけど、良くは知らない彼女の心も、きっと僕が心から愛せる心なんだと言う確信めいたものは、もちろん感じてました。

この時点で、彼女を手に入れよう。その代わり、他のものは全て犠牲にしようと決心したんだと思います。

その日は長い時間彼女を抱きしめ、キスをして、だけど、綺麗な時間を過ごし、そして彼女を家に送り届けました。


これまでの経過って、順調すぎるようです。

実際は多くの恋人たちと同じように、相手の気持ちが判らず、悶々とした日々を送りましたし、時々は我に返って良心の呵責に苛まれたり、色んなことがありました。
だけど、そんな辛いときに僕を支えてくれたことは、本当に単純なことでした。

僕の元々の気持ちと言うのは、
「自分の人生で唯一真剣に恋をした女性に、自分の気持ちを伝えたい。」と言うことでしたから、再会して 最初に「君が好きだった」と伝えましたから、彼女は本気にはしてくれませんでしたが、目的の大半は達成済みなわけで。

彼女の所在や、まして生死さえ判らぬ状態で過ごしてきた数十年と比較すれば、いつでも連絡が出来る状態のところに彼女が居ると言う事だけで、非常に満たされた気持ちを保っていられました。

僕は女性を真剣に愛したことがないので、失恋の経験もありません。

元々女々しくロマンチックな性格なので、僕らの若かりし頃のGSの歌や、その後のニューミュージックでも、嫌と言うほどラブソングを聞かされて、中には歌詞が非常に素敵なものが沢山あるわけで。

だけど、僕が心から思い入れを込められるようなものは皆無でした。

だって、

「あの日のクチヅケ」とか
「見つめ合ったあの夜」とか

そう、僕には、「あの・・・」と呼べるものが何も無いんです。
あるのは途方もない片思いの記憶だけ。
寂しかったですよ、そんな人生。
だから、僕も人並みに、彼女に気持ちを打ち明けて、そしてフラレるならそれでも良いじゃない。

ロストラブだって、ラブには違いないし。
そう、愛せる対象が見当たらないと言うのが、一番辛かったです。

恋の辛さはしてみないと判らないということ、50に近くなって初めて知った僕は、やっぱり超晩生だったんだと思います。


つらつら考えるに、何故彼女のことを数十年も思い続けられたかと言うこと、今なら割合明確に判ります。

結局僕は、中学生のときから、彼女からの特別な好意みたいなものを感じてたんだと思います。

僕はいつも彼女の姿を探してました。
そして、ふと彼女を見つけると、彼女はいつも僕の顔を見つめてました。
それだけで、彼女の心が僕にあるとは思えませんでしたが、何かを感じてたんだと思います。

言葉にすれば
「何で前田は、いつも俺の顔をあんな切ない表情で見てるんだろう?。きっと目が悪いから、じっと見るんだろうな。」
程度に思うようにしてました

あとひとつ

彼女が男子と言葉を交わすとき、楽しそうな表情をしたことは全く覚えていません。いつも嫌そうに、無関心で、必要最小限しか話もしてないようでしたが、僕とだけは、時には冗談も交えて笑顔で話してくれてたようです。

中2ともなれば、女子もそこそこ色気付いて、男子に色目を使うような娘が増えてきます。
そんなところを決して見せない彼女を、ひとつは、美人だからお高い?(ちょっぴりそう思ったことがあります)
ひとつは、性格が真面目で純情なんだと。

そして、前言を翻すようですが、そういう性格を含めて、彼女こそ自分の理想の女性なんだと、そしてもしかしたら、万一でも僕に好意を寄せてくれてるのでは?、と思っていたんじゃないかなと思います。

女性からそんな視線を浴びたことの無い僕は、そんなことを心の奥底に感じながら、だけどそういうことがある筈無いと、必死で打ち消してたようです。

だけども一縷の望みだけは残していました。だって、彼女に告白してフラレた訳では有りませんから。

もうひとつ加えさせて下さい。

僕は男子校、彼女は女子高に進学しました。
彼女が通った女子高は、勉強する子と遊ぶ子が両極端で、僕の男子校の友人たちも何人も彼女の女子高の生徒と付き合ってる人が居ましたが、それはドギツイ、セックスの話が大半でした。

彼女は中学時代から、上級生の性の興味の対象にされてた(悔しいことですが、先輩から時々聞かされてました)ようで、彼女なら男もヨリドリミドリだろうから、あいつも高校に入って、やりまくってるんだろうか?とか思ったこともあります。

だから、再会して、例え彼女がそんな女性になってたとしても決して失望するなよと、自分に言い聞かせていました。

後で聞いた話ですが、彼女は僕と、どうなりたいとかは考えたことが無いと。
ただ僕のことが好きで好きでたまらない。それ以外には何にも考えられなかったと(僕は彼女の言葉、100%信じてます)。

だから、僕が彼女を抱きたいと言ったとき、否も応も無いのですが、簡単に抱かれる女だと軽蔑されるのが怖かったと(僕は彼女の気持ち良く判りますしその気持ちを嬉しく思ってます)。
もちろん、主婦であることは大きな足枷ですが、それについては、僕への気持ちがあまりに大き過ぎて、それほど大きな障壁にはならなかったようです。

ただ、僕に抱かれた以上は、自分の今の生活は完全に終わってしまうんだ。家庭を壊してしまうんだ。吉田君は私をどうするつもりなんだろう?と、そんな不安に苛まれたんじゃ無いかと思います(この部分は彼女の言葉の端々から垣間見た僕の憶測です)。

僕も両親の離婚を経験していますし、家庭だけは大事にしたいと考えていましたから、悩みました。
だけど、彼女が目の前に現れた以上、彼女との人生を選択する以外には、道はありませんでした。
僕は今回の件、100回経験すれば100回同じ道を選択したと思います。

2回目のデートの1週間後、二人は結ばれました。


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2007年03月18日

不倫とのせめぎあい 第4章−8

新たな段階に入った僕と前田ですが、心の奥のほうに、少しだけ引っかかるものがありました。

二人の関係を、不倫と呼ばれるものにしたくないと言う強い希望です。

他人から見れば、既にこの時点で紛れも無い不倫と言うことになるのは仕方ありません。典型的W不倫と言う形になります。

でも、本当に僕達のこの恋愛は不倫なんだろうか?
不倫と言う形をとらないと、前田を自分のものに出来ないのだろうか?

海辺のカフェで、まだ僅か2回目のデートの時に、前田は僕達の関係のことで僕に尋ねました。

「吉田君は私達のこと、どう思ってる?」と言う問いかけです。

僕はこう解釈しました。

・中学時代の同級生とは言え、互いに家庭を持つ夫と妻の立場の二人が、恋人同士のようにデートをしている。
・反社会的行為に対しては批判的な考えを持っていると認め合ってる二人。
・そんな二人が、互いの配偶者の目を忍んで、二人きりで逢うという事に、どうやって正当性を見出すのか?

前田は、僕にそんな問いを投げかけたんだと思いました。(実際は僕の思い違いで、前田はもっと別のことを考えていたそうです)

それに対する答えは、その時点の僕には準備できていません。
僕は、「店を出てから、車の中で答える」としか返事が出来ませんでした。
だけど、確信めいたものはありました。
僕らの恋は不倫じゃない、不倫である筈が無いと。

根拠はありません。唯一、「僕の心には微塵も罪悪感が無い」と言う事実からして、おそらく僕らの初恋が不倫になる筈が無いとの確信、そしてそれを何らかの言葉として、前田に示せるんじゃないかとの希望的観測。

僕は前田の問いに答える代わりに、「君を抱きたい」と伝えました。
言葉での答えは見つけていませんでしたが、僕が前田を抱きたいと言った以上、前田にとっては、僕が必ず、二人の関係を正当化する方法を示して見せると言う意思表示だと理解できた筈です。

僕はそのように考えました。

まだ時間はある。
きっと答えは見つかる。
だけど、前田は既に僕のものだ、いや、元々僕のものだ。

前田との交際を深めながら、心の中で、二人の関係を正当化する方法を考え続けました。
世間的なものではありません、二人の価値観の中での正当性と言うことです。



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2007年03月14日

初めてのキス 第4章−7

ドライブ中に立ち寄ったカフェを出て、車中で彼女に言いました。
「今から君を抱きたい」と。
彼女の返事は「それは出来ない」と言うものでした。

それはそうですね。いきなりそんなこと言われてもネ。それは出来ない相談ですよね。だけど後には引けません。

僕はしつこくたたみかけました。

「出来ないと言うのは、永久にと言うこと?。それなら俺は二度とそう言う言葉は口にしない。俺も前田が、亭主が居て気軽に他の男と寝るような女だったら嫌だし、そんな女では無いこと十分に信じてる。でも敢えて言う。今は出来ないと言うのであれば俺は引かない。俺たちはもう心は繋がってる。俺は好きな女は絶対に抱く。こんなこと過去に女性に口にしたことは無い。初めて口に出来た自分に驚いてる。最後にもう一度聞く。今から君を抱きたい。」

彼女の返事は 「私には判らない。自分がどうしたら良いか判らない。」と言うものでした。

再度、たたみかけました。
「判った そう言う前田の気持ち、俺は十分に判るから絶対に尊重する。だけど今からホテルに行く。決して変なことはしない。ただ君を抱きしめたい。」

彼女の顔は、少し明るさを取り戻しました。
「約束は守ってね。守ってくれないと絶交だよ。」

僕らはホテルに入り、約束通り、着衣のまま抱きしめあいました。

どんな感じがしたかって?


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2007年03月09日

写真 第4章 6

初めての二人きりでのデートを実現しましたが、その後は、専業主婦の彼女は、時間の都合がなかなかつきません。

それでも初デートから3週間後に2回目のデートが実現しました。
彼女は、若い頃の写真を10枚ほど持って来てくれました(僕が強烈にお願いしてたからです)。
再会したとは言え、30数年の歳月は彼女をおばさんに変化させ、何度か顔を合わせてはいても、僕自身は中学時代の彼女の面影を取り戻すには至っていませんでした。
だけど、彼女が持って来た写真には、中学時代の運動会での写真が1枚入ってました。そして僕が知らない19〜26歳くらいまでの写真も。

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2007年03月05日

初デート 第4章 5

やっと彼女との初デートが実現しました。
彼女の存在を確認してから5ヶ月が経過していました。

海辺をドライブし、学生時代の思い出話や双方の近況などを、時間を忘れて話しました。

僕は彼女のこと、彼女は僕のこと、ほとんど何も知りませんでした。
同じ中学に3年間通い、1年間は同じ教室で過ごし、班もずっと一緒だったのに。

彼女は裕福な家庭のお嬢様だと思ってましたが、実際は貧しい家庭で一人っ子でした。早くに母親を亡くしてからの苦労話は、事前にメールでニュアンスだけは聞いていましたが、ショッキングな話でした。
彼女も僕のことは、苦労知らずのお坊ちゃんと思っていたようですが、僕もそれなりに人並み以上の苦労を重ねて来てました。

若い頃に、互いを支えあえれば良かったのにと、心で泪を流しました。彼女も同じだったようです。

ドライブの帰り道に、初めて触れさせてもらった彼女の手は、ガサガサに荒れてました。
「荒れているから 恥ずかしい」と。
僕は、「主婦の手だね」と。中学時代と同じように能面のような顔でつぶやきました。

この初デートの時から既に、彼女と僕の意識にはかなりの隔たりがありました。

僕は彼女との関係をどうやって進めようかと、その方に関心が行っていましたが、当分は家庭には何事も無いように、平常な生活を続けようとも思っていました。

彼女は僕とは全く違ってました。
僕との関係を進めよう等とは全く思わない代わりに、気持ちは僕の事だけで一杯になり、僕がラブレターを渡すより随分早くから、主人を拒否し続けるようになってたそうです。
「だって当たり前でしょ?。吉田君のことが好きになったら、そんなこと他の人と出来ないでしょ!。」

言われればその通りです。
ただ、辛かったそうです。言い訳はいくらでも用意できますが 家庭内の雰囲気は徐々に最悪の状態へとなって行ったそうです。

ただ、当時はそのような踏み込んだ話は、まだ出来ませんでした。

彼女は僕の目の前で、ただ俯き、小さな声で話し、時々目を上げて僕の顔を見つめます。
中学時代と変わらぬ、心を鷲掴みにされるような眼差しでした。
そう、初デートの時の彼女は既に5キロほど痩せてましたので、僕の印象も「やっぱり前田は綺麗だ」と思うようになってました。
だけど、頑なに眼鏡だけは外しませんので、中学時代の面影を求めるまでは行きませんでした。

郊外のドライブデートを終えた僕達は、街中に入り、コーヒーを飲みながら話を続けますが、僕は時間を気にしていました。
休日出勤だと偽って朝から家を空けた僕は、午後10時をまわった今、そろそろ家に帰らないといけない時間です。
だけど帰りたくない。
彼女にも尋ねます。
「時間は?、大丈夫?。」
「うん、大丈夫」
彼女は何事も無いように答えます。

そう言えば、彼女から初めて貰ったメールは午前2時の発信でした。その後も、深夜や明け方のメールさえ珍しくありません。
「水商売でもやってるのかな?」なんて、何も知らない僕は一瞬思った記憶があります。
今、この時点でも、彼女の状況等は殆ど判りません。
単純に、何故この時間になっても、家に帰らなくて良いんだろう?と不思議に思いましたが、彼女が帰らなくて良いのなら、僕も帰りたくありません。
初めて入るジャズバーで、ゆっくりと互いの近況などを話していました。時間はいつしか午前零時を廻っていました。

初デートは、家内からの「どこどこに居るから迎えに来て!」との電話で、唐突に終わりました。

「ゴメン!。家内を迎えに行かなくちゃ行けないから、今から家まで送るよ。」
「ん〜ん、私はあとしばらくここに居る。」
「え?、送るから帰ろうよ」
「ん〜ん、自分で帰るから良い。」

当然一緒に帰れるものと思っていた僕は、凄く不安な気持ちになりましたが、早く家内を迎えに行かないと怪しまれるとの思いの方が強く、後ろ髪を引かれるような思いで、彼女を置いて店を出ました。

いそいそと家内を迎えに行く僕の姿に、彼女は大きな不快感を感じたそうです。



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2007年03月01日

葛藤の始まり 第4章 4

彼女の気持ちを確かめたことで、最大の難関はクリアーしました。実際にそう思いました。
だけども、二人の微妙な立場はこれからの苦しみの始まりでもありました。

僕はおそらく、一般的な意味で最良の夫であり、最良の父であったと自負しています。
そして彼女も、最良の妻であり最良の母であったと。
それは二人の恋愛を知って戴く方々には、身勝手だとは思いますが、理解して戴きたいところです。
二人はちゃらんぽらんな気持ちで第二の人生に踏み出した訳ではありません。
随分風変わりな性格であることは認めますが、誰よりも真面目な、融通の利かない堅物の二人に起こった話だと思って読んで下さい。

そう、当面直ぐに考えたことは、彼女の気持ちを掴んだのは良いけど、だからどうするんだ、と言うことでした。

卑怯なようですが、彼女の外見に若干の失望感を感じていた僕は、自問自答を何度も繰り返しました。
本当にあいつ(彼女がいつの間にかあいつに変わってました)を心から死ぬまで愛せるんだろうかと言うことです。
恐らくは大丈夫、だけど本当に?と。

幼稚なようですが、彼女は僕にとってはかけがえのないもの。
表現は汚いですが、「上手いこと付き合えれば、最悪の場合、やり逃げでも」と言う気持ちならもっと簡単だったかも知れませんが、そういう男(僕自身のことですが)と彼女が付き合うと考えただけでも、大切な彼女を汚すような気がします。

その時点では、もちろん最後まで行きたい、彼女が欲しいと考えてました。
だけど、互いの家庭を維持する前提で彼女を抱こうとは思いませんでした。
僕はそこまでは堕落してなかった。

(そういう人を軽蔑しているわけではありません。人は各々タイプや人生観女性観の相違がありますから。ただ、僕自身は、会えなかったとはいえ、彼女を理想の女性として崇拝して来ましたから、その偶像を汚すことは自分自身を汚すことだと思っただけです。)

悩んでも答えは出ません。
考えても結論が出る筈もありません。
とにかく、直接会って話をすることだと思いました。


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2007年02月24日

吉田のあんぽんたん!! 第4章 3

前田からの返信メールです

題名
 
「吉田のあんぽんたん!!」

本文

「吉田のばか野郎!!ばか!ばか!あんぽんたん!!

3婆忘年会 ライブの時の話は ただそう思ったから書いただけ。
そんな事もわからんなんて 吉田は馬鹿だ。前置きして書かなかった私もばかだ。
幻滅していたら その後 勇気を振り絞って吉田にメールすると思う?
見える?と尋ねたのは メールから伝わってくる私 あるがままの私を 吉田は受け入れられる?
という意味で尋ねた。
素晴らしいとか ステキとか そんな事を聞きたかった訳じゃない。
吉田から貰った手紙の返事 私はまだしてないよ。
土曜日に会えなかったから 今度会う時にしようと思ってた。

吉田のメールを読んだ時 意味が分からなかった。
申し訳ありませんでした と書いてあって 物凄く悲しくなって泣いた。
吉田は そんな簡単に あの手紙書いた?

吉田が もう返事も要らないし 絶交するって言うなら 今度又会えるのは
又何十年か先の 今度は天国だね。
私は 天国じゃなく 今生きている時に会いたい。

私のメールの書き方が悪くて ごめんなさい。

吉田からメールも電話も来なかったら 絶交されたんだと思うことにする。
吉田のばか野郎。
私は泣く。泣く。泣く。ずっと泣く。」




ロマンチックなメールの筈が、口汚いあんぽんたんメールです。
だけど僕にしては、大いに驚いたメールです。
初めて見る彼女の激情でした。

いつでも穏やかで大人しい彼女が、初めて見せてくれた感情の発露でした。

だけど、それよりも何よりも、彼女が僕のことを思ってくれてると言うことをはっきり示してくれた、記念すべき瞬間でした。


だけど、だから?。

目先のことしか(彼女の気持ちがどうなのか)興味がなかった僕に、新たな問題が姿を現しました。

そう、彼女が僕を愛してくれるとしても、だからどうなるのかと言うことです。




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2007年02月20日

初めての失恋? 第4章 2

僕はどうやら失恋したようです。

僕が感じたことです。

彼女は今でも僕のことが好きなんだ。
だけど、互いに家庭を持って幸せな生活を営んでいることがネックとなって、進退に窮してるんだ。
僕が少年時代とは変わってしまった(本当は変わってないのですが トホホ)ことに、若干の幻滅を感じてるんだ。
僕の手紙に返事をすると言ったものの、心を決めかねて躊躇してるんだ。
会おうとの約束。会えばブレーキが外れてしまうことを迷った末の結論が、このまま付き合うことなく別れるか、それともしばらく時間の猶予を取りたいがために、今回の会おうとの約束を先延ばしにしたんだ。

概ね、そんなことを考え、恐らく当たらずとも遠からじだろうな、と思いました。

少女時代の彼女は、清純がそのまま制服を着てるような、そんな少女でした。
だけど、そんな少女も、少しは(もしかしたら随分)世間にまみれ、良くいえばサバケて、悪く言えばスレて、物分りの良い女になってるかも知れないと恐れていました。実はそこに付け込もうと思ってたんでしょうね。

でも意に反して、どうやら彼女は昔のままの融通の利かない、堅物女そのままだったようです(とその時は思いました)。

そう思って自分の行状を振り返ると、彼女に余裕のあるところを見せようと、普段他人に見せる虚飾をそのまま彼女にも見せてしまってたこと。むしろ虚飾と言うより、自分自身が昔の純粋な気持ちを失いかけてたことに気付き、深い後悔の念を覚えました。

僕自身はここに書いたとおり、恋愛の経験が無く、割合清潔な(男としては淋しい)生き方だと思ってましたが、音楽をしてるとそれなりに女性は周囲に居ますから、ガールフレンド的なものは4〜5人居ました。
彼女たちと適当に飲酒や食事をしながら、周囲の人達からは、いつも吉田君は綺麗な女性を横に侍らせてるねと言われてましたし、それを否定もせず喜んでたんでしょうね。
自分自身は満たされぬ思いで、だけども誰とも恋を出来ず、淋しい人生だと感じてましたが、周囲にはもてるんだと思われてることは感じてましたし、それが、もてない男の抵抗なんだと思ってました。

だけど、その姿をそのまま彼女に見せたこと。そしてそれよりも、そんな日常自体が彼女を愛する僕自身を汚してしまってることを痛切に感じました。

だって、もし彼女に恋愛では無いと言え、ボーイフレンドが沢山いたとしたら、僕は完全に幻滅したと思います。
今の僕は結局、彼女に振られたんだと思いました。そして、振られても仕方ないとも。
(一人で考えてると どんどん悪い方向に考えが進むようです)

自分の真心は彼女にぶつけましたが、自分の現状が、彼女に対しては相応しくないこと。一からやり直す必要があること。
そういう状態で彼女に振られたことは、ベストを尽くした結果だから、受け入れざるを得ないと思いました。

だけどショックでした。
生まれて初めてのラブレターを書いた僕は、すぐさまに、生まれて初めての失恋を経験しました。

どんな病気よりも辛いんだと言うことを初めて知りました。
目の前が、世界が、グルグル回ってました。
だけどもその中でも、決して彼女を諦めようとは思いませんでした。

メールだけは続けて貰おうと。
1年間で自分を変えようと。

そして彼女にメールしました。

彼女に宛てた、傷心のメールです。

ほぼ原文通り記載します。

題名 
「いまさらだけど」

本文 
「前田が感じたことは、軽蔑?、失望?。多分、幻滅だと思う。返す言葉も無い。前田から言われて良く判った。
49年生きてきて、このザマだから。自分で自分が情けない。

今はショックが大きすぎて、どうして良いか判らない。多分、徐々に立ち直れると思うので、ゆっくり自分のことを見つめなおして、自分の出来る範囲で、前田に軽蔑されないような人間になりたい。

折角会えたのに、前田には迷惑かけてしまった。心から謝りたい。本当に申し訳ありませんでした。

吉田に前田が見えてるか?って言ったよね。

僕の目に映った49歳の前田は、やっぱり素晴らしかった。想像してた以上に素晴らしい女性だった。
そんな前田を愛した自分を誉めてやりたいと思った。前田は何も変わってないよ。子供の頃と一緒だよ。でも、前田のことがわかっていくにつれて、自分の卑しさとのアンバランスがすごく気になっていった。

電話で前田の声を聞いた瞬間に、発狂したけど、自分では前田のことが見えてたと思うんだけど。

恥も外聞も無い。もう終わってしまったことはよくわかってる。馬鹿な弟を労わるように、しばらくはメールだけでも貰えないかな。お願い。」

今読み返しても 僕の気持ちが正確に記載されています

彼女からの返信は翌日に届きました。但し僕はそれをリアルタイムで読んでません。実際には、遠出先の車中に彼女から泣きながら電話が入り、僕の全くの誤解だったことが判りました。
そして、帰ってから会社のパソコン内のメールを見て、僕は自分のことをつくづく運の良い男だと思いました。
だって、前置き無くこのメールを会社で読んだとしたら、僕は社員の目も憚らず、声を上げて泣いたと思います。

彼女はこのメールを僕に送ったあと、返信が無いので心配して 思い切って僕の携帯に電話くれました。

電話では泣きながら、「私と絶交したいの?」と何度も聞かれました。
僕も泣きながら、何度も「違う違う違う」と否定しました。
最後は、「やっぱりメールだけでは伝わらないから 絶対に早い機会に会おうね」と約束しました。

そして、メール入れてるから、恥ずかしいけど読んでねと。

そう、電話のことなんてどうでも良いんです。

僕の宝物はこのメールです。
彼女からの返信メールです。
僕は今でも、このメールを読むと、泪が滲んで来ます。



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2007年02月19日

手紙の効果は 第4章 1

僕のラブレターに対して、彼女からはメールで返信が入りましたが、そこには以下のような要領を得ないことが書いてありました。

・突然の手紙に驚いた。
・今までのメールで、自分が吉田を好きだと仄めかしたことに吉田が不快感を持って、絶交されるのかと心配した。
・メールの名前欄が吉田のフルネームで表示されるので、苗字だけに変更して貰えないか。
・吉田からのメールは、読んだら直ぐに削除している。そして、それが身を切られるように辛い。
・家族がいる部屋でメールをするので、中途半端でも、途中でも送ることがある。
・初めて電話を貰った日は、家族全員が部屋にいたことと、嬉しさと緊張で、何も覚えていない。
・中学時代から今まで、吉田と会った機会は全て、緊張で顔も見れず言葉も出てこなかった。
・吉田君が私のことを好きだったなんて、考えもしなかったし、今も信じられない。

そう言う長い前置きのあとで、こう記されていました。

「吉田が自分の気持ちを私に手紙で伝えてくれたから、長くなって途中で送るかも知れないけど私も誠意を持って返事するね。ごめん、今娘が帰って来た。」

そこで返信メールは途絶えていました。

僕はそのメールで有頂天になってしまいました。
(きっと直ぐに続きが貰えるだろう。幸子は俺のこと好きだったんだ。うん、それは判った。それで、今はどうなんだろう。気になる。気になる。)

その日は、続きのメールは来ませんでした。

僕もメールには迂闊なことは書けませんので、万一家族に見られても良いように、さらーっとしたメールを返信しました。

翌日、やっと続きのメールが来ました。
意に反して、先日の続きじゃなくて、再会時の日記風思い出話でした。

忘年会で久し振りに見た吉田は、痩せた外見。女の子とも気楽に話せるようになってた。帰りの車の中で結婚したかったと聞いたことがショックだった。
吉田は変わってしまった。誰にでも気軽にそんなことを喋れる男になってしまってた。だけどそれは仕方ないな、年齢を重ねたんだから。
そんなことを感じました、と書いてあり、その後は、天気の挨拶などがさらーっと書いてありました。

そうか、思い出話だな。
少し内容に不満がありましたが、メールには書きにくいんだろうなと思いました。

仕事の合間に彼女に電話しました。
家族が出ないかとドキドキですが、彼女が出てくれました。

他愛のない話をして、だけど、近いうちに直接会って話をしようと言いました。
彼女も賛成してくれました。
メールだけでは伝わらないよね。うん、きっと近々会える機会を作るからとの嬉しい返事でした。

翌日もまた、メールが来ました。
この日も、先日の続きではなく、2度目に会ったライブのときの僕の印象が、日記風に綴ってありました。
「Aさん(ライブで共演した有名なプロミュージシャン)は穏やかで素敵な方だった。吉田はファンの女性の間をヒラヒラと飛び回り、ずーっと面白いことを喋り続けてたね。吉田は仕事とライブで疲れてるんだから、もうその口を閉じて、帰って身体をやすめろ!」
そんなことを思ってたと書かれてました。

そしてその後に、こう記されていました。

「吉田君?。私はもう30数年前の少女の前田じゃ無いんだよ。年をとってオババになった前田だよ。吉田は私しか見えないと言うけど、今の吉田に、本当の私が見えてる?」

少し考えました。

どういうことだろう? 少し雲行きが怪しいのかな?

そうは言っても、メールとは別進行で、電話で週末に会う予定を進めてました。
理由は判りませんが、「当日にならないと可否は判らないけど 時間が取れたら会いましょう」と言ってくれてました。

そして当日、メールが入りました。
「ごめん、今日出れなくなった。ごめんね。吉田は私のために自分の予定をキャンセルしないように早めに連絡しました。」

・・・

何が有ったんだろう?


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2007年02月09日

ラブレター(全文掲載) 第3章−9

恥ずかしいけれど 以下がラブレターです



前田へ

 今から、生まれて最初で最後のラブレターを書こうと思ってる。長いよ。

 メールを打ってて、メールには書けない事が多すぎて(随分いけない事も書いてしまった)、いつも変なメールになってしまう。今日、一度だけここに書かせてもらったら、今後は普通にメールだけでも満足出来そうな気がするんで、ちょっとだけ我慢して読んでもらえるかな。

 俺(実は自分のことを「僕」とか言う習慣はありません、悪しからず)の記憶によると、中学を卒業してから前田を見かけたのはたった3回。

 最初は高校の文化祭か体育祭で、小野さん(懐かしい名前です)から「今日、前田来るよ」という情報を貰ってて、多分そう体育祭のあとだったと思う、前田に会って「お前一人か、何しに来たんだ」と言った記憶が有るような、無いような。自分で喋りながら「おいおい、大好きな前田に何てこと言ってんだ」と思ってました。全く何て馬鹿なんだろう。その時、前田が悲しそうな顔をしたように感じたけど、そのときは、別に俺が何を言っても、前田がそれをどうこう思うはずも無いやんかと無理に自分を納得させてた。たしか、その年は君から年賀状が貰えなかった。
それ以降は、俺も転居したし、前田との接点は全く無くなった。

 2回目は、私鉄の地下の食堂街で、多分高校2年生前後。前田も制服姿で、「まえだー!」と声を掛けたら、悪い目を細めて、俺の顔をじーっと見て、「あー」くらい言ってくれたと思う。
ほとんど何も会話は交わしてないと思う。淋しかったー。でも、たかだか中学時代の同級生の男女がたまたま会えば、普通そういうものでしょう。それにしても、可愛かったー。

 記憶のうえで、前田を最後に見たのは、18歳のころの夏(君は19歳)に、銀店町の私鉄側の入り口ですれ違った時だと思う。当時はヒッピーみたいな汚い格好をしてて、前田に気付いた時は恥ずかしくて、どうしようか、無視するかとも思ったけど、思い切り声を掛けた。
案の定、またまた前田は、しらーっと俺のことを見るくらいで、俺ももう慣れて気にもとめなかった。

 でも、まさかその後、31年間も会えないなんて思いもしなかった。

 一度、若松さんから、前田が銀天町に勤めてたと聞いたことが有って、その後は、銀天町を歩くときはいつもドキドキしてた。当然、その当時はもう前田は結婚してて、銀天町になんかいるはずもないのは判ってるんだけど、前田が吸った空気を自分も吸ってるような気分がしてた。(まるでストーカーだね)

 とてもロマンティックな事は書けそうにないね。気を取り直して以下続く。
 順番も支離滅裂で意味不明かも知れないけど、我慢して読んで下さい。

 話は後先になったけど、俺は前田のことは中学1年生のころから知ってた(顔だけ)。
 俺は1年10組で一番奥の教室で、多分前田は1年1〜3組のあたりの教室の外で、登校時に外にいつも立ってた。
 この女、何でいつも外に立ってんのかな?、それにしても世の中には綺麗な女がいるもんだなと思ってた。
 で、2年生になったら、前田が同じクラスにいて、どういうマジックか、1学期から同じ班になった。その後も3学期まで一緒の班だったと思う(ちょっと自信はないけど)。自分の人生の中では、中学2年生の時の1年間が最も幸せな時期だった。少し残念だったのは、修学旅行の時に前田と少しでも一緒にいられる時間があったら最高だったんだけど、多分、旅行の時はあまり近くにいた記憶は無い。それでも旅行は十分に楽しかったけどね。
 返す返すも残念なのは、3年生のクラス変えで別々のクラスになったこと。今思い出しても、3年生の時は楽しいことは何も無かった気がする。結構6組の前田のことが気になって、教室は隣だったんで、たまに顔を見かけてたけど、いよいよ遠い存在になったなーと暗い毎日だった。
 あのまま、あの悪魔のクラス変えさえなかったら、少なくとも同窓会で何度かは顔を合わせたはずなのに。

 前田に久しぶりに会った後はね、他の女の子への興味が本当に無くなった。ガールフレンドにね(本当に恋愛感情無しの女性の友人、先日のライブで一緒したような人達)宣言したもん。

 36年間愛しつづけた人に30年ぶりに会った。俺はずっと好きだったけど、前田は全く俺には関心がなかったみたいだし、現在もその通り、電話でも軽くあしらわれた。
 今年1年、前田のみに専念する。必ず「中学の同窓生でそういえば吉田君ていたね」程度ではなく、「吉田君て結構良い人だったんだ、たまには会って話をするのも楽しいかも」ぐらいになれるまで頑張るから、今年はあまり君たちとは遊べないよ。

 まさかメールのやりとりが出来るようになるとは思いもしなかったんで、こんな事を人にしゃべったりした。でも、頑張って下さいって応援してくれてる。頑張ろう。

 前田がメールに書いてくれることは嬉しいけど、信じられない。何か、俺のノリに合わせて書いてくれてるんだったら、心苦しい。もし、前田がメールに書いてくれたことが本当なら、我が人生に悔い無し!ていう感じ、幸せ過ぎて多分泣く。
 俺が愛した前田は、嘘をついて人を傷つけるような人間ではないと信じていても、前田がメールに書いてくれたような内容は、俺にはとても信じられない。コンプレックスの塊なんです。
 いつ何時、「吉田、冗談だよ。あんたに興味なんてあるはずないじゃん」て言われても可笑しくないし、いつもそれを恐れてる。

 俺は女性には本当に縁がなくて、ずっと慣れてるから、あまり女性を好きになることは少ない。
でも、好きな女性がいるときは本当に人生が楽しい。今、前田という素晴らしい女性がまた目の前に現れて、毎日が本当に幸せ。人を愛する事は大好きで得意なんです。

 多分、あまりに強引な愛の押し付けにビックリしてるでしょ。迷惑もしてるかな。前田、はっきり言って良いよ。俺が前田を愛することは止められないよ、心の問題だから。でも、強引な愛の押し付けは、行動の問題だから、すぐに改められると思う。仮に、吉田君、あんまり強引過ぎるよと前田から言われたとしても、俺は傷つかない。それよりも、前田に迷惑を掛けるほうが、
俺にとってはたまんない。

 また話は飛ぶけど、前田に再会する以前の俺は、前田のことで以下のようなことを感じてた。

 ・前田は素晴らしい女性だけど、俺とはつりあわない、関係ない。
 ・前田はみんなから好かれてたから、多分ずっと幸せな人生を送ってるだろう。
 ・もし前田に会えたら、どうにかしてたまに会えるような環境を作りたいな。
  そういう状態で、いつも横から前田の幸せそうな顔を見れたら素晴らしいだろうな。
 ・なんで前田のことが忘れられないんだろ。自分でも何故か判らない。

 結局、俺は前田のことは好きだったことは間違いないけど、違う世界のアイドルみたいに思ってたんじゃないかな。

 ゴメン、今のは嘘。普通に女性を好きになるように、ただ、異常に深く愛してたんだと思う。
ただ、届くはずも無い愛に背を向けてたんだと思う。

 メールとかで、前田も苦しんだり、悩んだり、俺たちと一緒の普通の人間(あたりまえだよね)なんだということがやっと判ってきた。

 どうしても、過去の話ばかりになってしまうのは仕方ないよ。俺と前田の間には「今」という時間は無かったもん。今やっと「今」という時間が持てそうな気がする。出来れば「未来」も欲
しい。

 まだ起きてる、読んでる?。俺は今、書きながら随分恥ずかしくなったけど、結構冷静だよ。
今日は、今からのために出来るだけ沢山吐き出したいんです。

 前田、俺の前田に対する夢はね6段階。笑わずに読んでね。

 LEVEL1 前田、馬鹿馬鹿しくなって、引いてしまう。急速に絶交状態へ。
(俺は多分「生ける屍」状態になる)
 LEVEL2 前田、あきれて、だんだん疎遠になるが、約1年間くらいはメールのやり取りが続く
(最低でもこのレベルは達成したい)
 LEVEL3 今と同じようにメールのやり取りが続き、江川や恵子も含んでたまに会うこともある
(嬉しいけれど今ひとつ)
 LEVEL4 今と同じようにメールのやり取りが続き、事情が許せば二人で会うこともある
(俺的、本命路線)
 LEVEL5 吉田、前田を抱きしめる
(ここまで行けば100点満点)
 LEVEL6 二人は結ばれる
(妄想)

 前田!、俺は結構真面目に書いてるんだよ。例えばLEVEL1は、はたから見れば悲惨な内容だけど、前田に再会する以前の俺に比べれば、数倍も良い状態だと思うし、今はなんとかLEVEL3を維持してるけど、それだけでも奇跡みたいなもので、でも人間というものは欲が深いもので、現状に満足していては進歩は無いでしょ。で、LEVEL6までの夢を目指そうかな、LEVEL4までにしとこ
うかなと迷ってる。

 やっぱり、とても1回では書ききれない。でもしばらくは、普通にメールのやりとりで満足できそう。そうそう、俺、前田のメールみて何度か泣いた。夜一人になったときに見ると、ちょっと泣ける。

 大事な事を忘れてた。写真くれよ。それと前田が書いた字を見たい。今度会う機会があったら、一行で言いから前田が書いた字を見たい。俺は大事なCDを聴かせたよね。俺にも何かくれよ。

 本当は毎日メールしたいし、毎日声も聞きたいし、顔も見たい。忙しくて返信できないんじゃないよ。前田にメールする時間くらい何時でも取れるし、でも、それをやると、やっぱり君には迷惑だろうと思うから出来ない。この手紙が一番迷惑というのは無しね。
 でも、俺は一人前の大人だから、我慢できるし、31年間会えずに耐えてきたんだから、これからも我慢できると思う。

 何度もいうけど、俺が前田のことを愛しつづけることだけは、許して欲しい。
 長々とご免、49歳のラブレターでした。

      200*.**.**       吉田



最後まで読んでくださった方 有難うございます


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2007年02月08日

ラブレター 第3章−8

渡さないつもりのラブレターだから、
気持ちのありったけを込めて書きました。
メールのやり取りでは決して書けない、心情を吐露しました。

当時の気持ちは今でも良く憶えています。

怖かったのは、やはり、僕の気持ちの激しさに、彼女のほうが引いてしまうんではないかと言うことでした。
僕のほうは、家庭を大事にしながら彼女と付き合おうとは思って居ませんでした。
はっきり、彼女が一番、家庭が二番と決めていました。
だけど、彼女にはそれを求めることは出来ませんので、僕の気持ちを伝えた上で、
・メール交換を続けて欲しいこと
・直接会って会話する機会を作って欲しいこと
・彼女の気持ち次第では 最後まで行く気持ちがあること

この3点を認めました。

渡せたかって?

不思議ですね、渡せました。
あらかじめ、手紙を入れる時間を伝えてて、郵便受けに入れました。

渡さないつもりの手紙ですから、何の気負いも衒いもなく、自分で読んで感動しましたし、僕の心が正確に表現されてました。

彼女に自分の気持ちを伝えたいと35年願ってきて、今その機会が与えられて、伝えたい気持ちも上手にまとめることが出来た。
これを渡せなかったら、僕自身がこの世に生を受けた意味が無いし、渡して、馬鹿にされたとしても、彼女になら馬鹿にされても本望だと思いました。

効果ですか?

絶大でした。
直ぐには反応はありませんでしたが、後で聞いた話では、絶大でした。
「心臓を鷲掴みにされたような気持ちだった」と彼女は表現しました。
僕たちは、すでに狂ったような恋に落ち込んでしまってたんです。
僕の手紙はそれを確認するきっかけになりました。



次回は ラブレターの全文を載せようか 止めておこうかと迷っています


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2007年02月07日

苦しみと戸惑い 第3章−7

生まれて初めての真剣な恋に 僕は戸惑いと苦しみを感じていました

本当に食事が出来ないんです。
家に居ても、自分の場所が無いというか、部屋に居るのが苦痛で、何度も散歩に出ました。
思い出の中学校は自宅から直ぐのところで、中学校を目指して散歩にでかけ、このまま36年前にタイムスリップしてくれないかなと、何度も願いました。
空を流れる雲を見ては泪を流しました。

二人はどうなるんだろう?
彼女は僕のことをどう思ってるんだろう?
仮に好意を寄せてくれたとして、家庭をもった二人の老人に未来はあるのだろうか?
それよりも何よりも、彼女は本来どんな女性で、今現在はどんな女性になって居るんだろう?
若い頃から適当に遊んで、今は完全なおばさんになってしまってたりしないかな?

結局、考えれば考えるほど、素敵な未来は消えて行き、重い現実だけが残るはずです。

そう、外見も随分変わってました。
僕は恥ずかしながら、面食いです。
僕が知り合った女性で一番綺麗だったのが彼女です。
他に比較するものを知りません。
だけど、年齢を重ねた彼女の外見は、どこにでも居る、普通の女性そのものでした。
目立たない、大人しい感じの、だけど実際の年齢よりは少し若く見える普通の女性でした。
「お前 面食いじゃなかったっけ? あんな外見の女で良いのか?」
こんな考えも少しだけ頭に浮かびました。

それなのに、僕はそんな考えが、ほんの心の片隅に宿るだけで、彼女との切ないやり取りに溺れてしまってました。
やっぱり彼女しか愛せないし、愛してました。

そんな日常の中でも、二人の関係は急速に接近して行きました。

これもメールのやり取りで判ったことです。

20歳を過ぎた頃、一人暮らしを始めた僕ですが、彼女も直線距離で200mくらいのところで一人暮らしをしていたことが判明しました。
それを知った彼女は「どうして会えなかったんだろう それを知った私はショックで半日寝込んでしまいました」と書いてくれました。

一度は自分の演奏のCDと、前回のライブで共演したプレイヤー(前田は彼のファンになってくれました)のCDとを前田の家に届けました。このときはCDを彼女の自宅の郵便ポストに入れて帰りました。
彼女は玄関に来たり部屋に戻ったりを繰り返してたそうですが、会えませんでした
次の機会には同じプレイヤーの数枚のアルバムを、僕の演奏終了後夜の12時くらいにポストに入れて帰ると伝えてました。
その日は演奏が終わってメンバーと少し話をしてて、実際には1時間ほど遅れて彼女の自宅に向いました。
彼女が玄関の内側に立ってるのが見えました。
しまった! 待たせてしまった。
まさか彼女が待ってるとは思いもしませんでしたが、恐らく1時間待ってたんだろうなと思いました。
彼女にCDを渡そうと近寄ったとき、ふいに激情が沸き起こり、彼女を抱きしめようと手を伸ばしました。

「駄目っ ここは人通りが多いのよ!」

一喝されました。

翌日のメールには「1時間待ったぞ 吉田君のせいで風邪をひいてしまったぞ」と書かれてました。このころから、お互いに随分砕けた調子でメールのやりとりが出来るようになってました。

もう限界でした。

彼女にせっせとメールする合間の時間を割いて、ラブレターを書き始めました。
生まれて初めて書くラブレターです。
だけど、書いてても、これを彼女に渡すことは出来ないんだろうなと思ってました。
だけど、渡せないながらも、自分の心を整理したくて、もし仮に自分が凄く勇気がある男なら、彼女にどんなことを伝えるだろうか?と言うことを前提に、長い長いラブレターを書きました。



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2007年02月06日

メールで接近 第3章−6

毎日メールを待ってました。
自分からは出来ないくせに、彼女からメールが入るんじゃないかと、そんな期待だけはずっと持ってて、メールの着信音がなる度に「来たーっ!」と期待して見るのですが、彼女ではありませんでした。
我慢できず、もう良いだろうと思った矢先に彼女からメールが入りました。

タイトル 「何も無いけどメールです」
内容は、「ライブの時 忙しくて体調悪そうだったけど 良くなった?」と言うことと、「私が送るメール、仕事の邪魔になってませんか? 」と言うような内容でした。

僕は、「忙しくてメールも出来ませんでしたが 前田さんからのメールを見れば 元気が出ます」と言うような内容の返信をしました。

この日を境に、だんだん胸が痛み始めました。

1年かけて、ゆっくり進める筈だったのに、とてもそんなこと我慢できないような心の状態になってしまいました。

彼女はきっと、懐かしさと同情だけでメールの相手をしてくれてるだけなのに、あまり気持ちを高ぶらせてはいけないよ。と、何度も自分に言い聞かせました。

だけどここまで来たらブレーキは効きません。

今まで1ヶ月に1〜2往復のメールが、2日で1往復するようになりました。
だけど、家族も見れると言うことがネックになって、なんとも歯切れの悪い、中途半端なメールに終始しました。
それでも、自分の子供時代の思い出や、彼女の思い出や、色んなことをオブラートに包んで書き連ね、彼女の事も何でも良いから書いて欲しいとお願いしました。

こうして彼女との間にコミュニケーションが成立してみると、僕たちは、相手の名前以外は、互いに何も知りませんでした。
家庭環境や、両親や、兄弟のこと。何一つ。
だからメールに書く僕のことは、彼女を驚かせ、彼女が書いてくれたことは、僕をおおいに驚かせました。

僕のメールは平均2000文字くらい。
彼女のメールも平均1000文字くらい。

他人が聞いたら笑ってしまうような長いメールを交換しあいました。

彼女のメールにショッキングなことが記載されてました。

「中学時代の私は吉田君のことを意識し過ぎで・・・・、運動会のときのフォークダンスでは吉田君は私とは手をつないでくれなくて、校舎の裏に行って泣きました。だけど、そうやって皆大人になって行くのだ・・・」

ん? ん? これって何だろう?
普通に読めば、中学時代は俺のこと、気になってたってこと? そんな〜!
確かに聞いたよ同窓会で、女の子に、幸子も吉田君が良いって言ってたよ、って。
本当かな?。からかわれてるのかな?。
でも、例えそうだとしても、人はそうやって大人になる?。
そうか、そうだよね。中学時代はそういう時期もあったけど、今はもう大人だから、何とも思っていないよってことなんだ。きっと。
だってストレートに受け止めて舞い上がったりしたら馬鹿じゃん。

この頃から、眠れず、食べれず状態に嵌り込んで行きました。



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2007年02月05日

ライブに彼女が 第3章−5

新年を迎え、会社のパソコンに彼女から年賀メールが届いてました。
この日は、直ぐに返信しました。

僕は江川さんには自分のライブの告知メールをしましたが 前田にはしませんでした。
義理で来て貰うことに抵抗があったから。

数日後 前田からメールが入りました

「礼子には 吉田から ライブのお誘いのメールが入ったのに 私にはない ない ない ない」

そんな短いメールでした。

僕は他人行儀に、「無理に来て戴くのが申し訳なくてメールしませんでしたが 宜しかったら来て下さい」と返信しました。

当日は大雪で大変だったのですが ライブには江川さんと一緒に来てくれました

演奏が終わったあと、彼女と江川さんを強引に残し、メンバーと一部のお客さんと一緒に店内で打ち上げをしました。
その内の仲の良い女の子を、前田に「俺の彼女」と紹介しました。
何だったんでしょうか。ライブの興奮でぼーっとしてたのか、軽い冗談で口にした言葉ですが、今考えると恥ずかしいことです。
どうやら前田は僕のことを、軽薄な男だと受け取ったようです。
後で聞いた話では「吉田は変わってしまった」と思ったそうです。
僕はそんなことに気付かず、散々はしゃいだ末に、メンバーで食事をするからと、彼女たちと別れました。

その後、夜中に会社に戻り、朝まで徹夜で仕事をしました(当時は本当に忙しかったのです。翌日も同じメンバーでライブをし、また朝まで仕事をしました。半月ほどそういう状態が続いていたので、正直頭は正常ではなかったようです。)
そして朝、家に着替えに帰る前に前田にお礼のメールを入れました。

翌日(もう当日ですが)彼女から返信が入りました。
「昨日はありがとう ライブ楽しかった また誘って下さい」
そんな内容のメールでした。

さて、しばらくは仕事に専念!と、彼女のことは頭を離れませんでしたが、メールは控えていました。
本当は毎日でもメールをしたかったのですが、きっかけが無いのと、彼女のメールは家族も使ってるとかで、あまり生臭いことは書けないこと。そして一番は、口では好きだと言ったものの、彼女は本気にせず、メールでしつこくほのめかすのも恥ずかしいと。

そんなこんなで連絡が途切れて3週間ほど経過しました。



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2007年02月04日

初めて二人きりで 第3章−4

ようやく二人きりになれました

「卒業してから、ずっと前田に会いたかった。」
 「だけど吉田君、私に気づかなかったね。」
「太って髪を切って眼鏡まで掛けてたから・・・」

「家の近くまで行くから、近くになったら道を教えて。」
 「うん。」
「ご主人はどんな人?」
 「そうね、優しいよ。」
「前田のことだから、玉の輿か?」
 「馬鹿じゃないの!普通のサラリーマンよ。」
「そうか〜、俺、前田と結婚したかった。」
 「馬鹿じゃないの!」
「酒は飲む?」
 「ん〜ん、あまり飲めない。」
「じゃあ、今度食事しよう。」
 「誰と?」
「前田と。」
 「二人で?」
「うん、二人で。」
 「夜は出にくいから・・・」
「じゃあ、昼間。」
 「昼間は君は仕事でしょう!」
「じゃあ、いつか、出れるときに、夜!」
 「う〜ん、いつかね。」

「ゲッ! もう近くだよね。」
 「うん、その先。今日は送ってくれてありがとう。」
「どう致しまして。もう着いたんだね、早いね、残念!」
 「ありがとう、おやすみ。」

終始うつむいてた彼女は、別れの挨拶のときだけはしっかり僕の顔を見て、素敵な自宅に入って行きました。
立派な家で、きっと幸せなんだろうなと思いました。
今日のところは、とりつくしまもない。そんな感じでした。

だけど、変わり果てたとは言え、30年ぶりに彼女に会えたことだけで、夢のように幸せな気分を感じていましたし、自分の心がやっぱり彼女しか愛せないと確認できたことに、凄い満足感を感じてました。

きっと方法はある。きっと何かきっかけは出来る。

彼女と会ったばかりで、先のことなど何にも考えてなかった僕ですが、可能なかぎり行けるところまで行きたいと願ってることは、何となく判ってました。
彼女を初めて見た瞬間から、変わることない気持ちです。36年間の自分の気持ちに酔ってました。

彼女の気持ち?

僕には判りませんでした。
恐らく、嫌われてはいない。だけど、仲の良かった同級生という以上の印象は持たれていないのかな。そんな感じでした。

そして、当面の僕の目標は、吉田君ってこんな良い人だったんだと意識させようと思いました。

僕にとっては初恋の人でも、彼女からみれば、何の変哲も無い一人の同級生。
だから、一から僕に好意を感じてもらうことから始めなければならないなと思いました。

本当は、「きゃーっ懐かしいね。あたしも吉田君のこと好きだったよ。」と言う段階から入れればと、甘い期待を持ってましたが、本当に甘い考えでした。

だけど、ファイトが湧きました。
だって僕は彼女しか愛せない人間だから。最初から人生を賭けてました。


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2007年02月03日

再会そして 第3章−3

これって現実かな?
クラス替えによる彼女との別れから35年、最後に街で彼女を見かけてから、丁度30年。
それが、こんなにも突然に、彼女に会えるのか。

そんな気持ちとは裏腹に、顔は冷静でした。

「そうか?じゃあ会おう。まだ時間は良いだろ?」 そう確認して、彼女が座るテーブルに向かいました。

「前田? 久し振り! 会えて嬉しい。時間遅いけど、もうしばらく居ろよ。少し話がしたい。」

半ば強引に、そろそろ帰ろうかなとしてた自称「三婆クラブ」の忘年会の二次会を延長させました。
前田の顔をまともに見れなかった若き日の僕は、傲慢さを捨て去った引き換えに、年齢による経験とちょっぴりの勇気を手に入れてました。

中年同級女性3人組の忘年会で、江川さんが気を利かせて誘ってくれたのでした。
当日は僕の演奏予定は無かったのですが、会社帰りとかに時々顔を出してると伝えてたので、駄目で元々で連れてきて、やっぱり来てなかったから、しばらく飲んで帰ろうと立ち上がった瞬間だったとのことです。

久し振りに会っても、互いの気持ちは判りませんので、学生時代の思い出話しか出来ません。
3人組の一人恵子ちゃんは明るくて活発な子で、一人で喋りまくってくれました。
僕はその間隙をついて、何度も前田に話しかけました。
「お前に会いたかった、会えて嬉しい。」そんなことを何度も話しましたが、彼女はほとんど僕の顔を見ようとせず、僕の語りかけにも、電話と同じように「あ〜」と答え続けました。

20分ほど他愛の無い話を続けてると、ブルーノート出演を終えたドラマーが店に入ってきて、マスターの頼みで彼と演奏をすることになりました。
僕は、彼女と離れたく無い気持ちと彼女にギターを聴いて欲しい気持ちと、そんな気持ちを抱えてステージに立ち、3曲演奏しました。
ドラマーはまだ続けたそうな様子でしたが、笑顔で断って彼女たちの席に戻りました。

彼女もジャズが好きだそうで、久し振りに僕を見た同窓会でのステージと今日の突然の演奏で、僕がジャズをプレーすることに対して驚いてました。

そろそろ帰ろうかと言うことになって、三人を送っていくことにしました。

彼女は出掛けにトイレへ。
先に店を出た僕と二人の女子は、表に止めてる僕の車に乗り込み、助手席を空けて彼女を待ちました。
出て来た彼女は空いてる助手席を見て、「私は後ろで良い」と何度も固辞しましたが、ここも強引に前に座ってもらいました。

彼女の家が一番近かったのですが、後ろに座る女性を先に送り、ようやく彼女と二人きりになれました。


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2007年02月02日

初めての電話 第3章−2

前田への、今は中村ですが、あの前田への初めての電話です。

「もしもし 中村さんのお宅でしょうか? そちらに幸子さんはいらっしゃいますでしょうか」
 「はい 私ですが」
「前田? 吉田です、久し振り。」
 「あ〜・・・ 今晩は。」
「先日は同窓会来てたんだね。ごめん、気づかなかった。」
 「うん。」
「俺、前田に会いたかった。」
 「え?。」
「元気だった?」
 「うん。」
「今度食事でもしようよ。」
 「うん、誰と?」
「俺と、前田と」
 「う〜ん、機会があればね。」
「江川から電話番号聞いて、でも本当に前田? 声が違うような、本当に前田さんだよね?」
 「うん、前田。」
「ところで先日、俺、前田さんに挨拶した?」
 「うん、したよ。」
「え?、どの人かな?ごめん、俺判らなくて・・・」
 「あ〜。」
「今度本当に会おうよ(くっそ〜、早く会いたいと言ってくれないかな。県内なら今からでも直ぐに車で駆けつけるのに。)」
 「うん、そのうちにいつかね。」

約5分ほど話を引っ張り、彼女の口から「会いたいね。」という言葉を引き出したかったのですが、彼女の言葉は「うん」や「あ〜」ばかりで、少しめげました。

だけど、彼女と数十年ぶりに交わした会話。数十年ぶりに聞いた声。
しばらく話をしてたら、彼女の中学時代の頃の声も蘇ってきて、確かに電話から聞こえる声は彼女の声でした。

良し!次は彼女の顔を確認することだ。
だけど 同窓会で挨拶した女子は数名で、その中で前田の可能性があるのは、少しぽちゃっとした、眼鏡をかけたあの子かな?だけどあの子はそんなに綺麗じゃなかったし、だけどあの子しか居ないから、前田も年をとって随分不細工になったのかな?

だけど、最悪あの子でも良いや。
俺はとにかく前田に会いたいんだ。
良し、何度でも会えるまで電話して、
1年以内に二人きりで食事をする機会を作って、不意をついて身体を抱きしめよう。
彼女が怒って殴られても、もしかしたら喜んでくれても、
俺は彼女の身体の感触を想い出にして、残りの人生を生きて行こう。


それから20日ほど経ったある夜。
彼女の電話番号を教えてくれた江川さんが、僕が定期的に演奏しているライブハウスに娘さんと一緒に聞きに来てくれました。

「その後幸子から連絡あった?。メアド教えたから、メール入るかもよ。彼女、夜は出にくいみたいだけど、いつか引っ張ってくるね。」
「うん、ありがとう、何とか宜しくお願いします。」

最初の電話のあまりのそっけなさに少しくじけてた僕は、その後1ヶ月、彼女に対して何のアクションも起こせませんでした。
だけど、やっと彼女の連絡先がわかり、今後はいつでも電話を入れれば彼女の声が聴けると言うだけでも、僕の人生に明かりが射した気持ちでした。

そして来ました、彼女からの初メールが。
会社の仕事用のパソコンに、可愛い背景とともに。

「お〜い 吉田 久し振りだね」から始まる10行ほどのメールでした。
同窓会から35日後、僕が彼女に電話してから30日後のことです。

嬉しさのあまりぼーっとして、何度も何度も読み返し、だけど、直ぐに返信したら軽蔑されそうで。

結局、翌日まで我慢して、当たり障りのないことを書き連ねて、その間に、一度会いたいということを紛れこませて、返信しました。
残念ながら、そのメールには返信はありませんでした。

年末もせまったある夜。いつものライブハウスにおきっぱなしのギターを取りに行くため、早めに家で食事をし、その後ライブハウスに車で行きました。
いつものように店に入り、カウンターに座り、演奏が休憩に入った時間にステージ横に置いてる自分のギターを取るために待ってたら、店の一番奥から帰ろうとしてカウンターの方まで歩いて来た江川さんを見つけました。

「どうした? 今日は何?」と僕は聞きました。
「忘年会! 幸子来てるよ。」

ドキン!

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2007年02月01日

彼女を見つけた? 第3章−1

何故か急に行われるようになった全校の同窓会のことです。

3年前に新設された第1回は気が進まないながらも、出席者が少ないからと、嫌々出席し、他の学年は20名近く出席してましたが、僕らの学年は10名程度でした。しかも男子ばっかり。

続いて今年、第2回が行われることになって、これも嫌々出席する予定でしたが、急遽、当日が会社の新社屋への移転日と重なり、同窓会への出席は断念しました。
しかしながら、僕は当時も複数のバンドでギターを弾いてたのですが、たまたまそのうちのひとつのバンドが偶然ゲストで招待されていて、さすがに演奏はキャンセルできません。
引越しの慌しい最中に会社を抜け出して、同窓会の会場に駆け込み演奏をしました。
当日は、ステージ上で、メンバーの中にこの中学の卒業生が居ると紹介され恥ずかしい思いをしました。

すぐに会社に戻らなければいけなかったのですが、同級生に挨拶だけはと思い、ステージを降りて客席に向かい、同級生の一群を見つけました。
今回は女性も多く、男女合わせて20名程度が参加してました。
何人か見覚えのある学友に挨拶し、仲の良かった女子の江川さんを見つけたので、後日連絡するからと電話番号を聞きました。
学年の2次会があるようでしたが、引越しはそれどころでは無く会社に戻りました。

数日後、会社の引越しも落ち着き、江川さんに電話を入れました。

「もしもし江川さん?」
「ああ、吉田君! 先日は久し振り。顔を会わせたのは何十年振りかな?」
「20年くらい会ってないよ多分。ところで、先日の同窓会、二次会も行った?」
「ん〜ん、行かなかった。だって会いたい人が居る訳じゃ無いし、どうせカラオケか何かじゃ行く気もしないよ。吉田君は直ぐに帰ったけど忙しかったの?」
「会社の引越し当日だから、あの時間に行くことさえ難しかったんだよ。ところで、他にはどんな奴が来てた?」
「えーっとね、藤野さんでしょ、幸子でしょ、藤井君でしょ、それから・・・」
「ちょっと待てよ、幸子って、もしかして前田幸子?」
「うん、前ちん。前田幸子」
「えーっ、前田が来てたのか。本当に?。俺、前田に挨拶してた?」
「してたよ。気付かなかった?。」

「俺、前田のことが好きだったんだ。だけどどうしても連絡先が判らなくて・・・。お前、前田の電話番号が判る?、教えろよ。」
「あ、私は知らない。藤野さんが知ってるよ多分。聞いてあげようか?。」
「うん、頼む。是非!是非!」
「彼女、お昼はパートに行ってるかもしれないから、もし居なかったら、夜になるけどそれでも良い?。」
「良いです、良いです。判ったら直ぐに電話頂戴。良いか、絶対だよ。」
「うん判った、電話するよ。」

今の電話って、現実かな?。
30年も探し続けた前田。もう死んでるのかも知れないとおもっていた前田。絶対に交わることが無い運命だと諦めかけていた前田。
もしかしたら、今すぐにも、悪くとも今夜、彼女の連絡先が判る。

判ってどうする。


僕は気もそぞろで、だけど
「やっと見つけた。だけどどの子だろ? 綺麗な女性なんて一人も居なかったけど・・・」
そんなことを考えながら電話を待ちました。

夜になっても電話が無く、「判らなかったのかな?」と心配しながらも、こちらから江川さんに電話を入れました。

「え、幸子から電話入らないの。吉田君の電話番号教えたんだけど・・」
「馬鹿お前、誰が俺の電話番号を教えろと言った?。前田の電話番号を俺に教えろと言っただろ!」

やっと彼女の電話番号を知りました。そして前田の新しい姓も。
気が動転して気づかなかったのですが、電話番号からみて、彼女は結婚後ずっと同じ地区に住んでたようです。
だけどそのときは気づきませんでした。

どうしようか
電話しようか
迷惑かな
軽蔑されるかな

色んな思いが頭を交錯しますし。今まで生きてきた約半世紀の期間の自分は、決してそのような電話は出来ない人間でしたが、今回は即座に電話するに違いないと思いましたし、即座に電話しました。
30数年の思いを込めて。


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光陰矢の如し 第2章−3

若松さんとは、その後も3年に一度程度の頻度で開催される小学校の同窓会で顔を会わせました。
「幸子、結婚したよ」「子供が生まれたよ」「最近太ってるよ」と断片的に聞かされました。
その若松さんも20代後半には転勤続きで連絡が途絶え、それ以降、彼女の情報が僕の耳に届くことは完全に無くなりました。
ただし、どうやら彼女も僕と同じ市に住んでるらしいことだけは聞かされてたので、いつかは会えると信じてました。
会ってどうする?
何度も頭に響く重い言葉です。

年に2〜3回は彼女の夢を見ました。
目が覚める度に、たまらない気持ちになりました。
それでも30代で見る夢は、彼女の顔が浮かび、夢の中でも会えた喜びは感じてました。

ところが40代になると、同じように年に2〜3回の割合で彼女の夢を見るのですが、夢の中で(多分これも夢なんだろうな?)と半分諦めに似たそんな気持ちを感じましたし、彼女の顔もぼんやりとして確認すら出来ないようになりました。
それでも何度かは、夢の中で、夢じゃないんだと確認して「やっと会えた。やっとお前に会えた。だけど顔が良く見えない。もっと顔を良く見せて。お前本当に前田だよな。」とそんな夢も何度も見ました。
そして目覚めて、泣きました。
トイレに走り、家族に聞かれないように、だけど声を上げて泣きました。

彼女の母親は彼女が中1の時に病死してあり、前田自体もか弱そうなかんじだったので、「これだけ長い時間前田に会えないということは、前田も若くして亡くなってるのかも知れないな」と本当に考えてました。
それでも、町を歩くときは彼女を見逃さないよう、ずっと同じ年代の女性を探してました。
20歳くらいから約30年続けてきたことです。

光陰矢のごとし。月日はあっと言う間に過ぎ去り、気がつけば49歳になっていました。
僕の人生は何だったんだろう?
僕がこの世に生を受けた意味は何だったんだろう?

冴えない人生であったことは確かですが、仕事も人並みには出来ましたし、家庭は幸せそのものでした。
子供は病気も非行も経験せず、すくすくと育ってくれました。
何の不自由があるんだと、人は言うかも知れません。僕自身も感じることです。
だけど、駄目なんです。
前田のことに決着が付かない限り、僕はこのまま死ぬにしねません。

・前田は既にこの世に居ない。
・前田は僕のことは全然眼中に無い。

前者の場合はもう、諦めるしか有りません。
だけど、後者の場合は、それでも僕は伝えたい。「前田だけが、僕の生涯で唯一心から愛した女性です」と。
その上で、笑われてもそれはそれで良いんです。そのケジメさえ付けば、僕は残り少ない余生を、淡々と過ごすことが出来るでしょう。

人間には、自分の力ではどうしようもないことがある。前田とは縁が無い運命だったんだと、そう思い始める自分が許せないと思うほど、未だに前田への恋心を抱き続けていました。


そしてようやく彼女を見つけました


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